◉この記事の概要
2024年度より、一般社団法人CREATION DRIVEとの共同で開催している「BE CREATIVE! ENSHU」。これは年3回のプログラムを通じて遠州地方の中高生がデザイン思考*を学び、アイデアや価値を生み出すことへの自信を高めてもらうことを目指す取り組みです。実は、CREATION DRIVEにとっても、首都圏以外でこうしたプログラムを実施するのは初めて。なぜソミックとのパートナーシップが結ばれ、開催に至ったのか。地方開催の意義をCREATION DRIVEはどう捉えているのか。CREATION DRIVEの伊藤さんと中谷さんに伺いました。
*デザイン思考…新たな製品やサービス、事業を生み出すための考え方の1つ。「ユーザー1人ひとりの生活や価値観をふかく理解して新しい価値につながるヒントをつかむこと」「提供したいユーザー体験を再現するプロトタイプをつくってアイデアの価値をたしかめること」が特徴。
◉この記事の見出し
- 成長を長期的に支えるための、体系化されたプログラム
- アイデアを生み出すのは、こんなにも楽しいんだ!
- 何かを教える前から、すでに格差が生まれている
- 手、足、頭、フル活用!自分たちだけの力で、アイデアを形にする
- 生み出したいのは、地方における人材成長のエコシステム
◉お話を聞いた人

東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科マネジメント専攻修士課程修了。東大発イノベーション教育プログラムi.school修了。2021年よりCURIO SCHOOLに入社し、中高生向け教育プログラムの事業責任者を務める。2023年に一般社団法人CREATION DRIVEを設立。同法人の代表理事を務めている。

慶應義塾大学を卒業後、リクルート社にて新規事業開発、及び学校向け教育プログラムの営業に従事。2017年よりCURIO SCHOOLに転職し、企業と中高生・大学生をつなぐプログラムのコーディネーター、中高生・大学生コミュニティのマネージャーを務める。2023年に一般社団法人CREATION DRIVEを設立。同法人の理事を務めている。
成長を長期的に支えるための、体系化されたプログラム
デザイン思考をベースとした学校・企業の教育プログラムや事業開発の支援を行う(株)CURIO SCHOOLの、社会的(非営利)事業だけを分社化した組織。それが一般社団法人CREATION DRIVEです。
CREATION DRIVEの提供するプログラムには、人の成長を長期的に支えるため、「インスパイア」「エクスプローラ」「アクセラレート」の三段階が用意されています。
アイデアを生み出すのは、こんなにも楽しいんだ!
そもそもなぜお二人は、デザイン思考と価値創造に興味を持ち、今の仕事をしているのでしょうか。
一方の中谷さんは、二十歳の頃、デザイン思考発祥の地であるスタンフォード大学に行くプログラムに参加。そのプログラムの中でデザイン思考を学んだことが、興味を持つきっかけになったそうです。
何かを教える前から、すでに格差が生まれている
ソミックとCREATION DRIVEの出会いは2024年。両者は出会ってすぐ意気投合したのだそうです。
当時、CREATION DRIVEでは、どうすれば地域で自社のプログラムを実施できるか模索していたところでした。背景には、首都圏で10年以上プログラムを行ううちに見えてきた「教育の地域格差」があったのです。
教える前から差がついているという、ある意味でショッキングな現実。しかし、その現実に同じ想いで立ち向かってくれる初の地域パートナーがソミックだったのです。
手、足、頭、フル活用!自分たちだけの力で、アイデアを形にする
2024年11月、待望の第一回BE CREATIVE! ENSHUが行われました。おや?会場の後ろに、ダンボールに模造紙、テープ、紙皿など、さまざまなモノが並んでいます。
デザイン思考では、実際に足を運んでフィールドワークをすることや、考えすぎずに手を動かしてみることを推奨しており、CREATION DRIVEでも全てのプログラムで「とにかく足や手を動かそう」というマインドを伝えているのだそうです。
参加者の自発的なアクションを促すために、プログラム中、大人たちはほとんど介入しないのだそう。
生み出したいのは、地方における人財成長のエコシステム
初年度を終え、お二人は遠州地域の子どもたちの印象を、「真面目で素直でポテンシャルが高い。でも、自己評価が低い」と語ります。
こうした人と人とのつながりを育てていくため、2025年度以降はプログラムと並行してコミュニティイベントにも力を入れていく予定です。
中高時代から社会人に至るまで、価値創造人材としての成長を支えるエコシステム。それがまさに、ソミックとCREATION DRIVEが遠州に創造したいと願う新しい価値です。2年目に突入するBE CREATIVE! ENSHUの、「循環」1周目はこれから。どんな化学反応が起きるのか、期待が高まっています!