◉この記事の概要
ソミックで生産設備の電気設計の仕事に就く傍ら、兼業副業制度を利用してフリーランスのカメラマンをしている松井さん。かたや機械、かたや対人。かたや組織、かたや個人と、全く違うタイプの仕事にイキイキと取り組んでいます。しかし今の充実した日々に至るまでは、悩みや紆余曲折もあったそうです。副業をしたから得た気づき、深掘りできた「自分と仕事」の関係性を、松井さんの言葉で振り返ります。
◉この記事の見出し
- 副業禁止の定義はなんだ?
- 膝ガクガクのカメラマンデビュー!
- 副業をしてわかったのは、「会社ってありがたい!」
- 距離や形を変えながら見つける、自分と仕事の関係性
- 副業可は職業選択の自由につながる
◉お話を聞いた人

㈱ソミック石川 生技開発部設備技術室。2006年入社。副業でフリーランスのカメラマンとしても活動している。
副業禁止の、定義はなんだ?
ソミックで働きながら、現在副業でフリーランスのカメラマンをしている松井さん。写真に興味を持ったきっかけは、2014年、お子さんが産まれたことだったそうです。
最初は自分の子どもだけを撮っていた松井さんですが、徐々に身近な人にも撮影の範囲を拡大。撮った写真を本人に見せて、喜ばれることがやりがいになったそうです。そして、漠然と「カメラを仕事にしたい」と思うように。しかし当時はまだ兼業副業制度はありませんでした。
2022年、制度が導入されると早速カメラマン業を始めます。
膝ガクガクのカメラマンデビュー!
最初のお客さんからの依頼は、結婚式の二次会の撮影。膝をガクガクさせるほど緊張しながら挑んだといいます。
若干不安の残るスタートを切ったものの、その後、七五三の時期を中心に時折依頼が入るように。撮影は土日、または有給を使って行い、編集・レタッチは早起きをして明け方に行うのが常だそうです。
▲実際に松井さんが撮影されたお写真
副業をしてわかったのは、「会社ってありがたい!」
「副業をしている人」として社内報やテレビでも取り上げられるようになった松井さん。それを見た人から新しい依頼が入ったこともあるそうです。
本業にも副業にも精を出し、充実した日々を過ごしていた松井さん。しかしある日カメラマンの仕事で挫折が訪れます。きっかけは、七五三の撮影でした。
距離や形を変えながら見つける、自分と仕事の関係性
2024年、「カメラマンの仕事は一旦休む」と決めた松井さん。趣味じゃない、仕事だからこそ、「自分自身すらも満足できない撮影」が許せなかったのです。そして一年間、じっくりと休業期間を設けたのち、松井さんはもう一度カメラマンに復帰しました。
やってみて、辞めてみて、もう一度やってみて。距離や形を変えながら、「本当に自分が世の中に価値提供できる仕事は何か?」を深く考えていた松井さんは、実は復帰後にもう一つ新しい副業を始めることにしました。ソミックで培った電気設計の技術をそのまま活かした、他社の電気設計の仕事です。
生産設備は会社ごとに少しずつ仕様が違い、それを動かすプログラムもまた似ているようで少し違う。パソコンの前に座り、初めて見るプログラムにじっくり向き合う時間は楽しく、「やっぱり自分はこの仕事、性格に合ってるな」という自覚にもつながったそうです。
副業可は、職業選択の自由につながる
松井さんに改めて「兼業副業制度の意義」を聞いてみると、「人生を楽しくするもの」という答えが返ってきました。
そもそも副業がNGだと、どの会社に属するかで収入の大枠が決まり、生活水準も決まってしまう。もちろん成果次第で昇給もあるけれど、業績や景気からも相当程度影響を受ける。そのようなあり方自体に疑問があると松井さんは言います。
生き方の制限を外し、収入の制限も外し、より豊かな人生へと進んでいくきっかけとなる兼業副業制度。「自分と仕事」の関係性を耕す機会にもなりながら、一人ひとりの内側にある「働く」の多様性を少しずつ増やしています。