◉この記事の概要
ソミックグループに所属する2000人ほどの社員の中で、裁量労働制*を活用して兼業副業制度で副業をしている人がいます。グローバル経営変革推進部に所属しながら高校教師として働いている市川さんです。市川さんがなぜ教師であり続けようとしたのか、二つの職業がそれぞれにどう影響しあっているのか。何より市川さんは兼業副業制度の意義をどう感じているのか、お話を伺いました。
*労働者が自分の裁量で仕事の進め方や労働時間を決め、働いたことへの成果に対して報酬が支払われる制度
◉この記事の見出し
- 午前は高校教師、午後は会社員
- 理論上、制度の併用が可能なら、教師にも戻れるのでは?
- 共通する本質は、「相手の納得感の醸成」
- 思い切って仕事を渡したら大きな成果につながった
- 「やってもいい」が前提にあって、人は自分の可能性に気づける
◉お話を聞いた人

新卒から6年間高校の地歴・公民教師として働いたのち、2020年にソミック石川入社。現在はグローバル経営変革推進部コミュニケーション推進室でブランディング業務に従事している。
午前は高校教師、午後は会社員
ソミックマネージメントホールディングスのグローバル経営変革推進部に所属する市川さん。現在、兼業副業制度を利用し、毎週水曜日の午前中だけ浜松市内の高校で非常勤講師をしています。
大学で西洋史学を専攻していた市川さんは、中学校社会、高校の地理歴史、および高校の公民の教員免許を持っています。ソミックに入社する前の6年間は、高校の教員をしていました。
理論上、制度の併用が可能なら、教師にも戻れるのでは?
ソミックにおける兼業副業制度は2022年度に導入されています。導入当時、兼業副業は「基本的に就業時間外のみ認めるもの」と想定されており、現在の市川さんのように平日の日中にソミック以外の業務を行うことはできませんでした。しかし2023年度から裁量労働制が新しく誕生し、市川さんは思います。
*労働者が自分の裁量で仕事の進め方や労働時間を決め、働いたことへの成果に対して報酬が支払われる制度
もとより母校の先生とは定期的に連絡を取っていた市川さん。学校現場における教員不足がどれだけ深刻かもよく聞いて知っていました。
共通する本質は、「相手の納得感の醸成」
副業を始めて苦労したのは、まず体力面、そして生徒たちに「勉強することの意義を教える」ことだったそうです。
4時間連続の授業で精神的にも体力的にも疲弊しつつ、しかもその後は会社員として切り替え出勤する、これが大変だったと市川さんは話します。
思い切って仕事を渡したら、大きな成果につながった
副業を始めて、日中同僚と接する時間が少なくなったことから、市川さんは、仕事のやり方を一つ変えてみることにしました。
そして、会社で仕事をしていることが、生徒と向き合うときにプラスになることもあったそうです。
「やってもいい」が前提にあって、人は自分の可能性に気づける
実は、市川さんは2024年度で教員としての副業を辞め、2025年度からはソミック一本に戻りました。
兼業副業制度を利用してみて、市川さんは制度の意義を「人生の可能性を広げてくれるもの」と表現します。
副業はあくまでも選択肢なので、「誰もが副業すべき」だとは思っていないという市川さん。自身が楽しく取り組み、成果を出す姿を通して副業をポジティブなものとしてキャッチしてもらえれば、自然と誰かが次に続いてくれるのではと思って2年間駆け抜けてきたと言います。
ソミックグループでは、自身の「やりたい」に躊躇わずに挑戦する社員が増えることを願って制度を整えています。今後も人事部門が予想だにしなかった制度の使い方を希望する人が現れることに期待し、柔軟な制度運用を続けていきます。