2026.6.1

価値観は色とりどりに、 だけど目指すビジョンは共に。

#外国籍社員の活躍環境づくり #生きがい・働きがいの未来
◉この記事の概要

現在、ソミックグループでは全体の約1割に当たる229人の外国籍社員が働いています。その一人であるビナヤカさん(愛称ビナさん・インド出身)は、静岡大学大学院でコンピューターサイエンスを学んだのち、今は工場のスマート化に向けたIoTのアプリケーション開発に携わっています。ビナさんが加わったことで、現場では価値観と技術の両面で新しい刺激が生まれ、互いの強みを生かした協働も広がりつつあるとのこと。上司の鈴木さんは、こうした関係が築かれている理由について、「ビナさんがソミックのビジョンに深く共感してくれているからではないか」と語ります。ビナさんの存在がイノベーションの起点となり、ソミックを未来へと駆り立てていきます。

 

 

◉この記事の見出し
  • 学ぶだけじゃなくて、この国で働きたい
  • 何を解決するための開発なのか?
  • ビジョンへの共感が、言葉と文化の壁を越える
  • 価値観の多様性こそ変革の土台なんだ

 

 

◉お話を聞いた人

 

サジャンシチイ ビナヤカ

(株)ソミック石川 CPS生技部。2025年入社。来日は2022年で、静岡大学情報学部大学院で修士号を取得している。現在の業務は工場のデジタル化に向けたシステム開発。

鈴木良則(すずき よしのり)

(株)ソミック石川 CPS生技部部長。2002年入社。2025年より現職。IoTやAI、シミュレーション、デバイス開発などのDX関連業務を推進。

 

 

 

 

学ぶだけじゃなくて、この国で働きたい

 

インド出身のビナヤカさん(愛称ビナさん)は、静岡大学大学院でコンピューターサイエンスを学んだのち、ソミック石川に入社しました。ビナさんにとって、もともと日本は人生で一度は行ってみたかった国。実際に来て、人の真面目さや親切さに感銘を受け、「ここで学ぶだけでなく、この国で働きたい」と思ったのだそうです。

 

 

ビナさん
先輩が働いていたことでソミックを知りました。製造業に馴染みはありませんでしたが、会社のビジョンやチームの取り組みを聞いて興味を持ち、自分もここで一緒に成長したいと思いました。

 

 

ソミックでは当時、デバイス・アンリミテッド(以下、DU)社との新規事業*の開発人材を募集していたところでした。ビナさんも最初はDU事業の開発要員として採用されています。ところが入社後、“開発はDU社側の人材が主に担い、ソミック側はユーザーとして使い勝手のフィードバックを返していく”という役割分担へと事業形態がシフト。つまりソミック側では開発をほぼ担わないことになったのです。

 

*消費電力データを可視化する電力計開発プロジェクト。詳しくはこちら

 

 

鈴木さん
ビナさんは高度な専門性を持ち、たくさんのことができる優秀な人材です。そんな人を、『予定していた開発業務がなくなったから』という理由で実務に限定したポジションにつかせるのはあまりにも勿体無い。そこで改めてどこでなら能力を発揮していただけるかを考え、工場のスマート化を進めるIoT関連アプリの開発に従事してもらうことになりました。

 

 

ここからビナさんによる工場のIoT化への挑戦が始まりました。

 

 

 

 

何を解決するための開発なのか?

 

ビナさんのミッションは工場をスマート化するためのIoT関連アプリをつくること。具体的な業務はアプリケーションの開発です。この1年、アルゴリズムやロジックを一つずつ試し、結果が良ければ他のパラメータを確認・検証するということを繰り返してきました。

 

 

ビナさん
実は、『工場のスマート化』自体、私にとっては異文化を感じるテーマ。というのもインドは人口が多く、まだまだ『人の労力でなんとかする』場面が主流だからです。

 

 

ソフトウェア開発では世界のトップを走るインドですが、スマート化のニーズはあまりない。それが故に、ITを製造現場のロボティクスなどのハードと融合させていくユースケースもまだ少ないと言います。

 

 

鈴木さん
だからこそ、うまく日本の製造現場とつなぎ、どんどん機会を与えていけば非常に伸びていく分野だと思っています。

 

 

ビナさんをサポートする鈴木さんは、文化や言語の違いがある中でも誤解やズレが生じないよう「伝え方」を非常に大事にしてきました。

 

 

鈴木さん
特に意識して話してきたのが、日本の製造業全体が抱える課題や、そもそもなぜこれを作っているかといった背景、想定されているユースケースです。一方的に『これを作ってね』だけだと仕事の押し付けになりますし、目指すべきビジョンがずれてしまいますからね。『何を解決するためのものなのか』を明示して、それを理解してもらえるように気をつけています。
ビナさん
鈴木さんは働きやすい環境も整えてくれます。例えば AIは進化の速い分野で、日々出てくる新しい技術やその特徴を勉強しないと全く仕事になりません。『これについて勉強したいから時間がほしい』と鈴木さんに相談すると、必ず勉強時間が取れるよう調整してくださるので、とてもありがたいなと思っています。

 

 

 

 

ビジョンへの共感が、言葉と文化の壁を越える

 

ソミックでは現在、全社員の約1割に当たる229人の外国籍社員が働いています。しかしビナさんのいる部門では、ビナさんが初めての外国籍社員でした。最初は日本語での会話に苦労もあったそうですが、同僚たちが英語で話そうとしてくれたり、時には翻訳アプリなどを使いながらコミュニケーションを取ろうとしてくれたことで徐々に馴染んでいきました。

 

 

ビナさん
皆さんすごく親切で、忙しい中でも質問すれば必ず教えてくれます。それに、インドは会社に行っても自分のやることをやったら各々帰りますが、日本はだいたい同じ時間に来て同じ時間に帰る。打ち合わせや進捗報告もマメです。そういう“みんなで仕事を進めていく”感じがいいなと私は思いました。

 

 

部門の同僚たちもまた、ビナさんの存在があることで「言葉の違いを乗り越えて互いを理解しよう」という気持ちが芽生えつつあるといいます。

 

 

鈴木さん
他部署の外国籍社員が何か相談に来た時にも、構えずに自然に対応できるようになるなど、異文化に対する心のハードルは確実に下がっているように感じます。さらにはビナさんの持つAIやプログラミングに関する豊富な知識をみんな頼りにしていて、『これちょっとわからないからビナさんに聞いてみよう』と相談にいくような光景も見られます。

 

 

 

 

なぜ、文化も言語も違う中でこのようにうまく互いの強みを融合させられるようになっていったのでしょうか?その鍵は「ビジョンの共有」にあると鈴木さんは考えています。

 

 

鈴木さん
最初にビナさんがソミックのビジョンに対してワクワクする気持ちを抱いてくれていたこと、それが大きいんじゃないでしょうか。少なくとも僕のビジョンにはビナさんが必要だし、ビナさんもソミックを『いいな』と思ってくれている。そこでマッチし、互いに引きあえたのかなと思います。

 

 

価値観の多様性こそ変革の土台なんだ

 

ソミックがビナさんのような外国籍の方を積極的に採用する背景には、「中小企業であるソミックが、高度な専門性を有する人材を日本人で雇うのはとても難しい」という現実的な課題があります。国籍を問わず採用対象を広げていかないと、必要な人員が確保できないということです。しかし、本当の意義はより深いところにもあります。

 

 

鈴木さん
僕らが向き合うべき最たる現実は“今の形の製造業には限界がある”ということです。カーボンニュートラル然り、他の社会課題然り、解決するには単に自動化や効率化を進めるのではなく『そもそもの仕組みやシステムから変えていく』くらいの変革が必要です。そのためには幅広く知識を集めていく必要があり、幅広い知識を集めるには今まで以上に多様な方々が活躍できる環境を作っていかないといけない。またグループの理念にも『世の中の役に立ち、愛される』と掲げている以上、ターゲットは世界中の人たちになってきます。『日本人しか働いていない会社が何言ってんの?』と言われないよう、日常的にいろんな国籍の方々と働き、いろんな考え方や価値観に共感する姿勢を作っていくことがとても大事だと思っています。

 

 

つまりは変革の土壌、ビジョン実現の土台に「外国籍社員との協働」や「多様性」を織り込む必要があるということ。そんな鈴木さんの期待の言葉を受けて、最後にビナさんに、日本での就職を考えている外国人留学生へのメッセージをお聞きしました。

 

 

ビナさん
最初は文化や言語の面で大変なことはあると思います。私もいまだに大変さを感じることはあります。ですがこの経験は皆さんにとって、必ず成長につながる大切なものになります。大事なのは興味を持つこと、学ぶ姿勢、そして日本文化を尊重する気持ちがあること。それらがあれば、周りのサポートを受けて絶対にいい形になっていきます。皆さんの道のりと充実したキャリアを願っています!

 

 

 

 

今後もAI専門のエンジニアとして会社と共に成長していきたいというビナさん。この記事を読んでいる誰かが入社する時にはきっと、ビナさんの開発するシステムとビナさんの存在によって、もっと「誰もが働きやすいソミック」になっているに違いありません!